【書評】人間は治るようにできている
自律神経のことなら東京都東大和市のあおぞら整体院
こんにちは。院長の渕脇です。
先日、ものすごく面白い、痛快な本を読みました。
人間が病気になるメカニズムは、こういうことだったんだなあ、と改めて思いました。
そうして、治癒のメカニズムもよくわかりました。
やはり、カギは自律神経が握っていたのです。
人間の身体は本当によくできています。
福田―安保理論
新潟大学の名誉教授で免疫学者の安保徹先生をご存知ですか?
安保徹先生は、免疫という側面から、癌をはじめいろいろな病気を研究されているし、西洋医学の抱える問題点なども指摘していたり、予防医学や人間の健康についても、著書もたくさん出されているので、とても有名な方ですね。
特に、がん治療において、3大療法といわれる手術、抗がん剤、放射線治療ともに免疫力を低下させるとして批判して、人の免疫力を最大に生かす治療法を提案している方として有名です。
安保徹先生を一躍有名にしたのが、自律神経によって免疫システムがコントロールされているという事実を突き止めた、いわゆる「福田―安保理論」といわれるものです。
この論のもう一人の立役者である福田稔先生は、当時は新潟の県立病院の外科医でした。
この福田先生が、「お天気の良い絶好のゴルフ日和に限って、虫垂炎の急患の手術が入る。」という現象に気が付いたところから、研究が始まりました。
私は、この福田―安保理論については、ずいぶん前に安保徹先生の著書を読んで知っていたのですが、福田稔先生がどのような人物なのか、あまりよく知りませんでした。
安保先生は、研究者ですから、著書も多数出していて有名な方ですが、実際に患者さんと対峙しているわけではありません。
しかし、福田先生は臨床医です。
臨床医ですから、じっさいに患者さんと向き合っている方です。
臨床医として日々患者さんと、どのように向き合っているのだろうか、と興味をもち、福田先生の著書である「人間は治るようにできている」を読んでみました。
物語としても面白い
それにしても、本当に痛快な本でした。
福田先生の人柄がにじみ出る簡潔で切れ味の鋭い文章と、患者さんの病気をなんとかしたいという情熱を感じます。
福田―安保理論が生まれた背景の描写も大変興味深く、物語としても面白く読ませていただきました。
そしてさらに、薬を大量に使い、症状だけをコントロールしようとする現代医学の問題点を鋭く突いていて、胸のすくような思いがします。
福田先生自身も、医者としてのキャリアのスタートは、外科医としてでした。
それこそ、がんの三大療法のうちの一つ、手術を担当していたのです。
しかし、手術をしても、患者の予後は思わしくないし、すぐに再発してしまう人も沢山いる。
キャリアを積めば積むほど、西洋医学にたいして疑問を持つようになっていきます。
そんな中で、ふと疑問に思ったお天気と虫垂炎の関係。
そして、安保先生との出会いから、自律神経と免疫システムの関係を突き止め、人間の身体の精密さ、複雑さに気づき、臓器ごとにしか診ずに全身を見ない、目先の症状を抑えることしか考えない西洋医学の在り方が間違えていると確信を持つのです。
そうして、新しいし理念の下、看護師をはじめとする病院のスタッフや、患者さんたちと協力して、治療方法を模索していくのです。
そのあたりも経緯も、物語としてともて面白いのです。
過度のストレスこそ病気の原因である
私がこの本から学んだのは、やはり、人間には自然治癒力という素晴らしい力があるということ。
その力を信頼して、その力を少しでも向上させようとする行為こそが、本物の治療法なのだということです。
それは、薬ひとつで出来ることではないし、薬を使うことでその力が低下してしまう。
薬を使うことで、体内の絶妙なバランスを崩してしまう危険性がある。
また、薬の毒を体内にため込んでしまうということも。
健康を維持するには、自律神経のバランスがとても重要であるということ。
自律神経のバランスを崩すのは、過度のストレスであるということ。
適度な運動、適度なストレスとリラックスのバランスが大切であること。
気持ちを楽にして、くよくよせず、笑って過ごすこと。
もちろん、何を食べるか、何を食べないか、それが大切。
食べると同じくらいに、排せつ、解毒が大切であること。
自然治癒力こそ最高の治療法
本当の治癒とは、薬で症状を抑え続けることではなくて、自分の治癒力で治せるようになること。
こう書くと、当たり前のことばかりのようですが、それが出来ていない、解っていない人が多い、ということなのでしょう。
残念ながら、著者の福田先生は、この本を執筆され翌年に亡くなられました。
しかし、その遺志を受け継いだ人たちが、福田先生の治療法を広める活動を続けています。
健康とは何か、治療とはどんなものなのか、それが知りたい方は、ぜひ、本書を手に取ってみてください。