人間関係の悩みーアドラー心理学

こんにちは!
あおぞら整体院代表の渕脇です。

悩みの根本は縦の人間関係だった

もうずいぶん前のことなのですが、定期的に通ってくれて、悩みを打ち明けてくれた人がいました。
客観的にみれば、悩まなくてもいいようなことなのに、それが気になって仕方がないというのです。

その人の言うことを私なりにまとめてみると、

他人を自分を比較して、自分より上か下かで判断しているようなところがある。
相手が自分より上だと思うと緊張するし、自分が自由でいられない。
常にダメ出しをされるのではないかと思ってしまう。

だから、自分より下だと思う人といると自由でいられるから心地よい。
でも、ちょっとでも弱みを見せると、すぐに追い抜かれて蹴落とされそうな気がする。
だから、弱みを見せられない。

みんなの前で自分の弱点を突かれるのが怖い。
みんながそれをネタに自分を追い抜いていくような気がする。

たとえ、実際は何もなくても、自分の気持ちの中で自分の順位が下がってしまう。
一度下がるとなかなか浮上できないし、そうなると自由でいられなくなる。
それが恐怖で仕方がない。

縦の人間関係と横の人間関係

アドラー心理学では、
縦の人間関係は、周りの人がすべて争うべき敵になってしまって、メンタルを病んでしまう。横の人間関係をならば、他人と争う必要はなく、全ての人は仲間となる。
という趣旨のことを主張しています。

まさに、このことを表しているのだと思います。

自分が社会をどのようにみているか。
社会観が自分のメンタルに与える影響の大きさ。

世の中の人はみんな争うべき相手なのか。
それとも仲間なのか。

この違いはとても大きいですよね。

縦の人間関係を教え込まれる

私たちは、縦の人間関係を教え込まれて育ちます。
ですから、横の人間関係と言われてもピンときません。

目上の人のことはよく聞くように。
親を大切にしなければいけない。
親、先生、先輩、上司、年長者には逆らえない。

さらには、受験戦争における偏差値教育。
よりランクの高い高校、大学に行くことが求められ、あたかもそれで人間の価値が決まるかのような教育。

これでは、縦の人間関係を築くようになるのが当たり前です。

そして、ほとんどの人が縦の人間関係を築いているわけですから、そのおかしさに気が付いてないし、それどころかそれが常識であって正解であると思っています。

だから、年齢で人を判断したり、出身大学で人を判断したりします。

「今どきの若いものは~」というフレーズは、まさにこういう感覚から生まれてくるのです。

横の人間関係とは

これに対して、横の人間関係とは、大きな同じ平面上を、みんなそれぞれの方向に向かって歩いているようなイメージです。

年長者は、たまたま先に生まれて早くスタートしたに過ぎず、人間の価値自体は若い人と変わりません。
つまり、対等な関係なのです。

もちろん、早くにスタートしているので、その分いろいろな経験を積んでいるかもしれませんが、それはたまたまであって、別に偉いわけでも上に立っているわけでもありません。

社会に対してこういう価値観を持っていれば、人とむやみに争う必要がなくなりますし、上から目線でものを言うことも無くなります。

前出のクライアントさんのように、誰かに出し抜かれたり、蹴落とされたり、自分が沈んだりすることもないわけです。

自分は自分でそのままでいいし、人と比較する必要がなくなります。

そして何よりも、人のために役に立つことも苦ではなくなりますし、助け合って生きていくような感覚になります。

この感覚を、アドラーは「共同体感覚」と呼びました。

 

自分の感覚の問題

この、縦の人間関係を築くか、横の人間関係を築くのか、という問題は、結局は自分の頭の中でのイメージの話です。

自分の感覚だけの問題なので、自分で自由に変えることできる問題です。

もちろん、それが簡単か難しいか、という問題はありますが、理論的には自分で変えることができるのです。

意識的に、そういうイメージを持ち続けることで、そのような感覚を手に入れることができるのではないかと思います。

じゃあ、お前はどうなんだ、と言われると、その場面によりますが、だいぶ横の人間関係の感覚を持つことができるようになってきました。
難しい場合もありますけれどね。

練習を続けよう

こういう感覚を変えていくには、練習が必要です。
すぐに変えられる場合もあるけれど、なかなか、すぐに変えることが難しいこともあります。

でも、練習を続けることが重要です。

こういうのは、筋トレと同じだ、という人がいます。
確かにそうかもしれないなあ、と思います。

諦めずに、続けることが大切なのですね。

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