なぜ健康には「運動」が必要か―筋肉は心臓と同じです!

こんにちは!院長の渕脇です。

ここの所、「運動」シリーズをやってます(笑)

なぜ健康には「運動」が必要か―運動は骨も鍛えます!
なぜ健康には「運動」が必要か―筋肉は大事な熱源です!

「運動って、別にしなくても生きていけるのでは?」

そう思っている方も多いのではないかと思います。
確かに、生きていけます。

健康のを支える3本柱のうち、他の二つ(栄養、休養)は無ければ生きていけません。
それと比較すると、どうなの?と思うの方もいらっしゃるでしょう。

でも、「健康的に」生きていくには、絶対に必要です。
そのことを解っていただきたいのです。
では、今日も「運動」について書きたいと思います。

解剖学の最初に習う、筋肉の生理作用三つについて話を進めています。
ちなみに、筋肉の生理作用は以下の3つ。

●運動
●熱の発生
●筋ポンプ作用

今日のお題は「筋ポンプ作用」です。

実は、筋肉のこの作用を知った時、「筋肉って凄い!」って思ってしまって、その後、整体専門学校でこの項目を教える時が一番熱が入るところだったのです。
ですから、ちょっと長くなってしまうかもしれませんので、何回かに分けたいと思います。

その筋肉の凄さが伝わればよいのですが。。。

さて、皆さんに質問です。

循環器(血液を回す器官)の動力源となる臓器は何でしょう?

 

 

 
これは、とても基本的な問いなので解ると思いますが、「心臓」ですよね。
それから、動脈もあります。

心臓は人体の臓器の中で、かなり重要な臓器であることはお分かりいただけるかと思います。
なんたって、心臓がダメになれば、もう生きてはいけないのですからね。

心臓から押し出された血液が、動脈を通ってどんどん先のほうまで流れていくと、毛細血管にたどり着きます。
毛細血管はあまりに細いので、血管壁を構成する細胞と細胞の隙間から血漿(液体部分)が染み出しているんですね。
赤血球は隙間より大きいので外に出ませんけどね。

ということはですよ、心臓の圧力はもう、この時点ではかからなくなっているわけです、血液には。

さて、ここでもう一問。

ここから先、血液はどうやって心臓に戻るのでしょうか?

特に、心臓より下に下がった血液は、重力に逆らって上ってこなければならないわけです。
静脈には動力源はありません。
また、一旦血管の外に出た液体は、リンパ管を通って戻るんですけど、そこにも心臓のような動力源はありません。

 

 
お分かりになりましたか?

静脈やリンパ管には所々に弁がついているんですね。
逆止弁という、一方向にしか液体が流れないような構造になっている弁です。

この逆止弁が付いている管に、周りから圧力を加わったり、減圧したりを繰り返すことによって、一方向に液体が流れるような仕組みになっています。

この周りからの圧力をかけているのが筋肉なのです。

筋肉は収縮すると太くなります。すると、静脈やリンパ管に圧力がかかります。
次に、筋肉が伸ばされて細くなると、これらの管に加わった圧力が下がりますね。

これを繰り返すことによって、これらの管の中に流れが起きるのです。

筋肉が太くなったり細くなったりする性質を利用して、血液循環を起こしているのです。

これを「筋ポンプ作用」といいます。

特に、二足歩行のわれわれ人間は、足のほうに体液が溜まりやすいです。
これは、重力で引っ張られているからです。

これを、重力に逆らって心臓のほうへ戻してあげなければならない。
そのための動力源は、足の筋肉ということになるのです。

「足は第2の心臓」という言葉を聞いたことがあると思いますが、まさに、心臓と同じ、循環器の大切な動力源なのです。

ここで、少し考えていただきたいのは、筋ポンプ作用が働くためには、筋肉が太くなったり細くなったりという動きを繰り返す必要があるということです。
これは、筋肉が、縮んだり、伸びたりを繰り返すということです。
ということは、関節が動いていることを示しています。
関節が動くということは、身体が動いているということですよね。
まさに、運動しているということです。
同一姿勢を続けていては、筋肉を使ってはいますが、筋ポンプ作用は働いていません。

立ち仕事やすわり仕事をしていると足がむくみます。
これは、身体が動いていないために、筋ポンプ作用が働いていないことを示しているのです。

私はこの話を知った時、

「人間の体は動くことが前提のつくりになっているんだ!」

と思いました。

それもそのはずです。
人類の歴史の中で、多くの人が肉体労働をしなくなったのは、高々30年程度前の事です。
それ以前の何百万年という間、ずっと肉体労働をしてきたわけですから、動くことが前提のつくりになっていてもおかしくありませんね。

まとめますと、

筋肉は心臓と同じ働きをしている。
人間の体は動くことが前提のつくりになっている。
したがって、健やかな身体を保つには動かざるを得ない。

ということだと思います。

そう、動かざるを得ないのです。
諦めて運動しましょう!

この話は、まだまだ続きます。

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