「自立」と「依存」について
こんにちは。
あおぞら整体院代表の渕脇です。
もう、ずいぶん前のことになりますが、カウンセリングの師匠の所の勉強会で聞いた話です。
その時のお題は「人の発達と家庭の機能Ⅱ」ということで、ドメスティックバイオレンス(家庭内暴力)を中心に、自立と依存について学びました。
DV(ドメスティックバイオレンス)は、その加害者と被害者が共依存状態になることで起こります。
お互いが自立した人間同士なら、相手を尊重するとともに、自分の身を自分で守ることが出来るので、このような共依存状態にはなりません。
自立とはどういうことか
そもそも、「自立」とはどういう状態なのでしょうか。
これに関しては、色々な考え方があると思いますが、私の師匠曰く、「安全、安心を自分で守ること」とのこと。
自立の反対は、「依存」であることから、「依存」は「自分では守れないので、他者によって守ってもらうこと」になるのでしょうか。
子供は自分で自分を守れない存在なので、どうしても親に依存しなければ生きていけません。
したがって、人間は誰しも、依存状態からスタートしているということです。
そうして、この依存状態から自立へと移行して行く過程が、成長するということなのです。
反抗期は自立への第一歩
親への依存状態から自立へと移行する時に、子供は親の価値観を捨て、自分の価値観に従うようになってきます。
これを親の側から見ると、自分への反抗、自分のいう事を聞かなくなってきたと見えるのです。
しかし、子供の側から見ると、親への依存状態から自立へと足を踏み出したということなのです。
このことは、親が子供に依存している場合は、大変な大問が起こります。
子供が親から離れていくことを許さない場合、親子の間で激しい衝突が起こります。
反抗期にあまりにも激しい衝突をうむ場合、親のほうが子供に依存していることも考えられます。
反抗期はこのようにして訪れます。
この時期に、すんなりと親離れが出来るようにしてあげることが大切なのです。
「いい子」に問題が多い理由
子供が親から大切に扱われないと、親離れがうまく進まないこともあります。
親のご機嫌を取ろうと、いつも親の顔色をうかがっているので、親から見ると手のかからない「いい子」である場合も少なくありません。
しかし、大切に扱われていないと、自分は大切に扱われてなくても仕方がない人間、すなわち価値のない人間であると思うようになります。
こうなると、何か他の物に頼って生きていかなければならない、そうでなければ不安だ、という感覚を持つようになります。
よって、自立できない人になってしまうのです。
完璧な人などいない
成長するということは、依存から自立へと移行していくこと。
確かにそれはそうなのだけれど、そうはいっても、世の中には完璧な人などいません。
さらに、生きていくということは、とても大変な事なのです。
完璧に自立して生きていくなんてことは不可能です。
みんなどこかしら不完全で、不完全だからこそ、何かに頼っていなければい立っていられないということもあるでしょう。
依存することが悪いことなのではありません。
コントロール不能になるほどに「依存し過ぎる」ことが悪いのです。
暴力に依存することも、アルコールも、買い物も、ギャンブルも、セックスも、自分の身を滅ぼしかねないものに依存することをやめ、
ランニングなどのスポーツ、読書、勉強、音楽など、自分を高めてくれるものに依存すればよいのです。
また、人間関係においても、信頼できる人の協力を得ること、助け合って生きていくことは何も悪いことではありません。
人間は社会的動物です。
適度に依存して自分を支えていくことは、大切な事なのです。
コントロール可能な状態は「依存」とは言わないで「協力」というのです。
また、「自立」と「孤立」は違うのです。
カウンセリングとは自立支援
育った家庭環境によって「自立」することがうまく出来なかった結果、生きづらさを抱えている人はたくさんいます。
本来ならば、子供時代い親に依存して、安心できる状態で成長し、やがて自立して親から離れていくという過程を経る必要があります。
しかし、その過程を通ることが出来なかった場合、カウンセリングを通してその過程を経験する必要があるのかもしれません。
不完全な自分を受け入れ、愛おしい存在だと思うことによって、初めて自立への扉が開くのです。
もし、生きづらさを感じている人がいらっしゃいましたら、カウンセリングを受けて見てはいかがでしょうか。
生きづらさを感じているということは、成長のチャンスがやってきたのかもしれません。
「依存」から「自立」へと変わっていくチャンスなのです。